マイナンバー事務取扱担当者サヤカの憂鬱日記

マイナンバー制度に翻弄される運命の女、事務取扱担当者サヤカです

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マイナンバーとは

▲内閣官房HPより

▲内閣官房HPより

わたしを憂鬱にさせるマイナンバー。

そもそもマイナンバーって何? って社員のみなさんにも聞かれるので、マイナンバー事務取扱担当者として一応まとめときますよ。

さて。

マイナンバーっつーのはその名の通り番号です。番号ってゆーのをもっと具体的に言うと、12桁の数字です。

住民票を持っている人全員、1人に1つずつ、このマイナンバーが割り当てられます。

ま、日本に住んでるすべての人(外国人も含む)に背番号をつけちゃおうってことですね。

昔は大反対されたりもしたこの制度もなんだかわかんないうちにあれよあれよと決まっちゃったわけです。

【注意】この制度のもとになっている法律はこれです→長い名前の法律

長い名前の法律

んで、なんで全員に背番号を付けるのかってゆーと、国が住民を管理しやすくするためなんですね。

政府はこんなことを言っています。

●公平・公正な社会の実現

マイナンバーは、給料を払っている会社とか将来的には銀行口座のデータに紐づけられるので、誰がどこでいくら稼いでいるなんてことがお見通しになる仕組みです。

これはつまり、脱税がしにくくなるってことです。だからお金持ちはみんなこの制度を恐れていやがっているんですね。

逆に言えば、本当にこの人はビンボーだってこともわかるので、経済的にマジに困っている人は、きめ細かな支援を行えるようになると政府は言っています。

でも、生活保護制度がパンクしそうなのに、まだそんなお金あるんですかね? 

ああ、そっか、今はやんなくてもいい人にも生活保護費を出しているって話ですかね。

●国民の利便性の向上

お役所仕事といえば、要るんだか要らないんだかわからない添付書類のオンパレードが常識でしたが、マイナンバーの仕組みを使えば、そーゆー添付書類を劇的に削減できる可能性があります。さまざまな行政手続が簡素化されるので、国民(住民)のみなさまの負担が軽減されます、と政府は言ってます。

住基ネットのときにもこんな話があったような……利便性って向上しましたっけ?

●行政の効率化

国や地方公共団体は、基本的に文書で動いています。いろんな情報の照合、転記、入力などにこれまで莫大な時間や労力を費やしてきたのですが、それが大幅に削減されます。番号1つで人間が特定できるので、作業の重複などの無駄が削減されると政府は言っています。

ただ、すべての個人情報がどこかにまとめられて一括管理されるのではありません。個人のデータは今まで通り、各省庁に分散されて持たれています。
マイナンバーがあることによって、その各省庁間の連携がスムースになるって感じですかね。

 

ま、あれですよ。

このマイナンバー制度がどんどん拡大していくと、国民すべての金融資産とか金融所得が正確に把握できるようになるわけで、いろんなところで、稼いでいるお金もちの人たちはほんと、この制度を嫌がっているわけですね。

ホントの大金持ちの人たちは将来的にこの制度がすすむ前に、日本から逃亡しちゃうでしょうけれどもね。

それからこの制度、行政の手続きが減るっていっている一方で、ものすごくお金がかかります。

マイナンバーを各家庭に簡易書留で送るだけでも数百億円(想定数5400万世帯へ簡易書留にて発送、事業費として267億円!?)の郵便代がかかるって話です。ぶひゃーって感じですよね。

国の出費だけでなく、日本中のカイシャにも負担が大きいです。

金庫もってない会社は金庫買わなきゃいけないし。安全のためにパーティション買いませんかとかの営業もくるし。

これまで存在しなかった事務的な手続きが生まれ、それがわたしみたいなマイナンバー事務取扱担当者にのしかかってきます。

マイナンバーをもとにした新しいビジネスも生まれてるようで、いろんな業者さんが跋扈ちうです。

コンピュータのシステム屋さんなんかも最近、笑顔がステキです。

会社のパソコンにマイナンバーのデータを入れておくのはヒジョーに危険ですよとか、笑顔で脅してきます。

給与システムの変更もタダじゃやってくれませんからね。

マイナンバー制度は、限定的な業界で経済特需を作ってるのは確かです。

ま、ここまでIT社会が進んいるので、人間全員に番号付けて管理してしまえってゆーのは当然の流れなんでしょうけれども、末端にいる私みたいな事務取扱担当者の身にもなってくださいよ。

私の場合、隠し口座とかは持ってないんで、税務署さんとかは怖くはないわけですが、いちいち社員から番号を聴くのも憂鬱です。

そしてまた、このマイナンバーが記載された書類は、安全な保管がはっきりと義務付けられています。

ちゃんと鍵かけて厳重にしまっとけってことです。

それを、日本中の零細企業から大企業までそれぞれの企業にいる私みたいな膨大な数のマイナンバー事務取扱担当者が漏らすことなく管理しろって仕組みなんですよ。

どうなることやらですよ。

仕事は増える、責任は重くなる、それでいて給料は変わらない。おまけにヘタしたら罰則が適用されるで、いいことなんてないですよ。まったく。

このサイトでは、そんなマイナンバー事務取扱担当者の日常を綴っていきます。

マイナンバーの基本が知りたいって方はこれがいいです。→マイナンバー紙芝居

 

公開日:
最終更新日:2015/10/01