マイナンバー事務取扱担当者サヤカの憂鬱日記

マイナンバー制度に翻弄される運命の女、事務取扱担当者サヤカです

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マイナちゃんは恐怖の使者(?) マイナンバー倒産ってなに?

      2015/11/07

マイナンバー占いとかマイナンバー詐欺とかいろいろありますけれども、きょうは「マイナンバー倒産」という言葉について考えてみましょう。

さて。

マイナンバーは日本国中の住民一人一人に番号を付ける制度ですが、その一方で、日本中の会社にも番号が付けられます。

これが会社のマイナンバー、「法人番号」です。

会社に「法人番号」が割り当てられるとどんなことが起きるのでしょうか?

社会保険未加入の事業所

事態はけっこう深刻です。

うちの会社は、社員全員正社員で、健康保険や厚生年金には全員が加入しています。

当然、厚生年金保険料の半分は会社が支払っています。

でも、日本国内には、やむにやまれず、法律に従わずに営業している会社や事業所もたくさんあるのが現実です。

つまり、本来、厚生年金に加入しなければならない会社でも、経営が苦しくて、保険料(従業員と会社が半分ずつ負担します)の支払ができず、泣く泣く未加入のままになっているケースがけっこうあります。

本来、強制加入ですから、国としてもすべての事業所を指導しなければならないのですが、登記はされていても休眠状態にある会社も多く、すべてに手が回らないのが現状です。

国税庁の統計では、厚生年金に加入すべき事業所数は約245万件(25年度)あるそうですが、その一方で、厚生労働省によると、厚生年金を支払っている事業所数は約169万件(25年度)だそうです。

ってことは、約75万件が未加入で経営しているかもしれないってことです。

でも、どの会社がホントに厚生年金の保険料を払わないといけないかを調べるのは困難でしたが、それをマイナンバーが解決します。

法人番号は中小零細企業の首を絞める

マイナンバー制度が始まると、これまではタテ割りだった国税庁と日本年金機構との間の情報連系がイッキにすすみます。

厚生年金に加入している事業所を把握している日本年金機構と、従業員の源泉所得税を納付する法人事業所数を把握している国税庁との情報の突合せ作業がマイナンバーによって楽になれば、厚生年金保険に加入していない法人は一挙にリストアップされることになり、ピンポイントで指導が可能になります。

国税庁と日本年金機構のデータがマイナンバーで突き合わせされれば、もう、言い逃れはできません。

ちまたでは、床屋さんや美容室、クリーニング店、外食産業などにこのような企業が多いと言われています。

個人経営でも、従業員をそれなりに抱えている場合は厚生年金への加入が義務づけられています。

マイナンバーが活用される分野の1つである社会保険、つまり健康保険と厚生年金保険については、常時従業員(社長さん1人だけの場合も含む)を使用する事業所と、個人経営で常時5人以上の従業員を使用する事業所(特定の業種を除く)はすべて加入しなければならいことになっています。

その一方で、従業員が5人未満の個人事業所や、従業員が5人以上でも次の4つの業種にあたる個人事業所は任意適用事業所となり、社会保険への加入の義務はありません。

1) 第一次産業(農林水産業)
2) サービス業(理容・美容業、旅館、飲食店、料理店、クリーニング店等)
3) 士業(社会保険労務士、弁護士、税理士等)
4) 宗教業(神社、寺等)

もともと個人経営で、任意適用事業所だったけど途中で法人化した。でも社会保険加入の手続きをとらないでそのまま来ちゃって、現在に至るってところはけっこうありそうです。

社会保険料の時効は2年。過去2年分の保険料を徴収される可能性もでてきます。

社会保険加入の中小・零細企業にとっては、マイナンバーは恐怖の番号だと言われる理由です。

 - マイナちゃん, マイナンバーの問題点